1.レボドパ製剤(合剤)
メネシット
ネオドパストン
イーシー・ドパール
ネオドパゾール
マドパー

2.アゴニスト(ドパミン受容体刺激薬)
麦角系
パーロデル
ペルマックス
カバサール
非麦角系
ドミン
ビ・シフロール
レキップ

3.マオB阻害薬
エフピー

4.塩酸アマンタジン
シンメトレル

5.抗コリン薬
アーテン

6.ドロキシドパ
ドプス

7.コムト(COMT)阻害薬
■コムタン -2007年に新たに発売された薬-
コムト(COMT)阻害薬として日本では初めて発売された薬です。日本では07年4月に発売さました。
一般名をエンタカポンといいます。
エルドパが脳に入る前に分解されるのを防いで脳の中に入るエルドパの量を増やします
エルドパ製剤の効果が短くなってきたとき(ウエアリング オフ)にエルドパの効果を延ばす働きがあります。
コムタンのみ服用しても効果はありません。必ずエルドパ製剤と一緒にのむ必要があります。
副作用はエルドパ製剤などと同じでエルドパ製剤がおおく働いているときにみられるジスキネジアなどがあります。このときは一緒にのんでいるエルドパ製剤を減らすのが一つの手です。
尿がオレンジ色になることがありますが、体には害はありません。この着色は衣服につくととれにくいようです。

パーキンソ病のお薬の副作用

■パーキンソン病のお薬の副作用はどんなのがあるでしょうか
比較的のみ始めて初期に多いのが吐き気です。そのためレボドパ製剤など初めてのまれる場合は、吐き気止めの薬を一緒にのんでもらうことがあります。アゴニストの場合は、効果がでる量まで徐々に増やしていきます。
また眠気をきたすこともあります。眠気の中には“突発性睡眠発作”といって急に眠ってしまうことがあります。車を運転されている場合にはこのようなことがおこらないか注意が必要です。

その他には頻度は低いのですが起立性低血圧、や足のむくみ(浮腫)などがあります。
また最近欧米で麦角系のアゴニストを服用している患者さんで心臓の弁膜症が報告されています。

長期にお薬をのんでいる患者さんでは幻覚が生じるころがあります。幻覚については長期にお薬を服用しているときにみられる問題ー幻覚についてーをみてください。


長期にパーキンソン病のお薬を服用している時にみられる問題

パーキンソン病のお薬も始めはよく効いていても長くのんでいるといろいろな問題がみられることがあります。

■長期にパーキンソン病のお薬を服用している時にみられる問題
 ー運動症状についてー
1.最近レボドパ薬の効果が短くなってきたのですがーウエアリング・オフについて
レボドパ製剤を長く服用していると次第に効いている時間が短くなって切れている時間帯がみられることがあります。これをウエアリング・オフといいます。例えばレボドパ製剤をのんで3時間位すると効果が切れてきてまたお薬を飲むと30分ぐらいすると効いてくるといった具合です。

2.そのときはどのようにしたらいいのですか
いくつかのやり方がありますが、1つはマオB阻害薬を使ってみます。あるいはアゴニストを増量してみます。確実なのはレボドパ製剤の回数を増やすことです。たとえば3時間で効果が切れてしまうのであれば3時間ごとにのむといったのみ方です。その場合はレボドパ製剤の一日の錠数が増えることになります。

3.食後にのまなくてもよいのですか
レボドパ製剤は効果のきれる時間帯がでるようであればそれに合わせて服用して構いません。とくにレボドパを飲んでもなかなか効かない場合は空腹時に飲んでみることを試してみます。 空腹時の方がお薬の吸収がよいのです。

4.その他にどんな問題がおきることがありますか
体や手足がくねくねと勝手に動くことがあります。これはジスキネジアとよばれる不随意運動です。不随意運動というのは自分の意思ではなく、すなわち随意ではなくて勝手に体が動いてしまうことを言います。振戦 (ふるえ)も不随意運動です。

5.ジスキネジアがでた時はどうしたらよいでしょう
ジスキネジアはおおくはレボドパ製剤に対して脳が敏感に反応するようになって、効きすぎて出ることが多いのです。だからレボドパの量を少なくすればジスキネジアも大抵少なくなります。しかし、レボドパを1回に1錠のんでいてジスキネジアがでている場合にレボドパを半錠に減らすとジスキネジアは無くなるが、レボドパの効果がでなくて動けないこともあります。だからまず、マオB阻害薬を飲んでいる場合はそれを減量・中止してみます。それでもジスキネジアが出ている場合はアゴニストを服用していればそれを減量してみます。いずれにしろお薬を減らすので、動きにくくなることがあります。そのため多少のジスキネジアで患者さんにとってトラブルになっていなければ特にお薬はいじらなくてもよいです。また塩酸アマンタジンを服用することによってジスキネジアが軽減することもあるので試してみてもよいでしょう。

■長期にパーキンソン病のお薬を服用している時にみられる問題
 ー幻覚についてー
1.幻覚がでることがあると聞きましたが、どのようなものですか
パーキンソン病のお薬を長くのんでいると、幻覚がでることがあります。普通は“ないものがみえる”といった幻視です。例えば家の中に子供がいるといったり、あるいは小さな虫がみえるといったものです。幻視も本人が幻視と自覚して余り気持ち悪がることがなければ見過ごしていてもいいでしょう。でも、例えばご飯のうえに虫がいるので食べられないとか、あるいは現実と区別がつかなくなるといった状況では幻視をなくすようにします。

2.幻覚をなくすにはどのようにしたらいいですか
パーキンソン病のお薬はどれも幻覚を誘発させる可能性があります。幻覚がでている患者さんは複数の種類のパーキンソン病薬をのまれている方が多いので、徐々に量を減らして薬の種類を少なくします。減らすのは抗コリン薬、ドロキシドパ、塩酸アマンタジン、マオB阻害薬などから減量・中止していきます。それでも幻覚がコントロールできなければアゴニストを減量し、場合によっては中止しレボドパ製剤のみとします。

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